一応挨拶してな、と言われて
面倒だと思った。
なんで、友達をわざわざ拾うんだ、と思った。
*
彼氏とまだ付き合いそうで付き合っていなかった時、
2人で泳ぎに行った。
そこに入ってこようとした彼氏の友達。
少しでも、彼氏とのキョリを詰めたかったあたしにとっては、
敵以外のなんでもなかった。
結局、その人はするべく遠慮をしたらしく、
ついてはこなかった。
あたし達2人のジャマになるから、と。
当たり前だよ、
あたしは、内心そう思った。
でも、泳ぎに行った後、
彼氏は、その友達を含む昔からの友達大勢と飲むことになっていた。
それでだった。
駅で待つ、その人を車で拾って、
そのまま飲みに行こうということ。
その人を後部座席に乗っけたまま、
あたしを家まで送って行こうということ。
だから、車に乗っけた時に、助手席に乗ってるあたしには、その人に対して、
一応挨拶をしろ、と。
その人は、元気よく後部座席に乗ってきて、
彼氏と久しぶりだのなんだの話すと、
挨拶をしたあたしに少し興味を持って、
話しかけた。
容姿のわりには、ぬけた人だと思った。
黙っていれば、結構かっこいいのに、どこか抜けた人だと思った。
その人懐っこい笑顔は、彼氏にはないものだった。
車があたしの家について、
なんで仲間はずれにするのょ、
と内心恨めしそうに車の外から手を振るあたしに
その人は、「バイバーイ。」
とその人懐っこい顔で手を振り笑って言った。
*
彼氏と付き合い始めて、ディズニーシーに行った。
ギョウザドッグを買うのにさんざん並んで、
やっと近くに座って、それを食べていると、
彼氏の名前を呼ぶ声がした。
現われたのは、その人。
その人は、仕事の都合上、東京に住んでいた。
それにしてもすごい偶然。
あたしの顔を見るなり、
「あの時のコやんなぁ?!」
とニヤニヤした。
勢いで話す感じ、面白くて思わず笑った。
話を聞かない。
変な人だと思った。
*
その人こそがコウジくん。
バーベキューの日、後半、ダウンしかけのあたしを見て、
「しんどいの?」
と心配そうに顔をしかめて言った。
泳いで濡れた茶色い髪をバサバサ拭いて、
またあたしを見た。
答えは、遮るように彼氏が返してしまった。
もうあたしに棲み付いてしまって、出て行ってくれない。
それは夏のせいだと思いたい。
面倒だと思った。
なんで、友達をわざわざ拾うんだ、と思った。
*
彼氏とまだ付き合いそうで付き合っていなかった時、
2人で泳ぎに行った。
そこに入ってこようとした彼氏の友達。
少しでも、彼氏とのキョリを詰めたかったあたしにとっては、
敵以外のなんでもなかった。
結局、その人はするべく遠慮をしたらしく、
ついてはこなかった。
あたし達2人のジャマになるから、と。
当たり前だよ、
あたしは、内心そう思った。
でも、泳ぎに行った後、
彼氏は、その友達を含む昔からの友達大勢と飲むことになっていた。
それでだった。
駅で待つ、その人を車で拾って、
そのまま飲みに行こうということ。
その人を後部座席に乗っけたまま、
あたしを家まで送って行こうということ。
だから、車に乗っけた時に、助手席に乗ってるあたしには、その人に対して、
一応挨拶をしろ、と。
その人は、元気よく後部座席に乗ってきて、
彼氏と久しぶりだのなんだの話すと、
挨拶をしたあたしに少し興味を持って、
話しかけた。
容姿のわりには、ぬけた人だと思った。
黙っていれば、結構かっこいいのに、どこか抜けた人だと思った。
その人懐っこい笑顔は、彼氏にはないものだった。
車があたしの家について、
なんで仲間はずれにするのょ、
と内心恨めしそうに車の外から手を振るあたしに
その人は、「バイバーイ。」
とその人懐っこい顔で手を振り笑って言った。
*
彼氏と付き合い始めて、ディズニーシーに行った。
ギョウザドッグを買うのにさんざん並んで、
やっと近くに座って、それを食べていると、
彼氏の名前を呼ぶ声がした。
現われたのは、その人。
その人は、仕事の都合上、東京に住んでいた。
それにしてもすごい偶然。
あたしの顔を見るなり、
「あの時のコやんなぁ?!」
とニヤニヤした。
勢いで話す感じ、面白くて思わず笑った。
話を聞かない。
変な人だと思った。
*
その人こそがコウジくん。
バーベキューの日、後半、ダウンしかけのあたしを見て、
「しんどいの?」
と心配そうに顔をしかめて言った。
泳いで濡れた茶色い髪をバサバサ拭いて、
またあたしを見た。
答えは、遮るように彼氏が返してしまった。
もうあたしに棲み付いてしまって、出て行ってくれない。
それは夏のせいだと思いたい。
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